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「売れる音楽アーティスト」と「売れないアーティスト」の違いとは?

こんにちは、阿部です。
私は、大手メジャーレーベルと大手アーティストプロダクションを兼務し十数年音楽業界に関わらせて頂き、
多くの稀な経験とその中から音楽活動の本質を学ばせて頂きました。

レーベルの目的とプロダクションの目的、そして相反する利害関係など多くを学ぶ事が出来ました。
そして、その経験をもとに現在音楽関係に従事している多くの関係者やアーティストの方々へ私の経験が
少しでもお役に立つ事が出来ればと思いこのような記事を書かせて頂いています。

今回は、「売れる音楽アーティスト」と「売れないアーティスト」の違いとは?についてお話をさせて頂きました。
「売れるアーティスト」「売れないアーティスト」とは、どんな違いがあるのでしょうか?そして、
「売れる、売れない」というのは何を持って判断するのでしょうか?

この記事は、

*音楽活動をされているアーティストの方
*音楽アーティストをマネジメントされている方
*音楽ビジネスにお悩みのアーティスト及びマネジメントの方
*音楽ビジネス、マネタイズにお困りの音楽プロダクションの方
*音楽レーベルやプロダクションの新入社員や駆け出しのスタッフの方

などに向けてお話をさせていただいています。

音楽アーティストは、皆音楽活動を行っています。そして、同じ音楽活動なのに何故?「売れるアーティスト」と「売れないアーティスト」に分かれて行ってしまうのでしょうか?宣伝費の力でしょうか?それともメディアの力でしょうか?それとも他に何が違うのでしょうか?宣伝費をかけ、メディアに露出出来れば「売れる」のであれば
大きな資本力と大手プロダクションが優位になりますが決してそうではないのです。
それだけで「売れる」のであればもっと多くのアーティストを輩出しているのではないでしょうか?

「売れる」というのは、すなわち多くのファンを集めているということです。
「売れない」のは、ファンがいないということです。

ファンを集めることが「売れる」ことになるということです。
それを理解しているか?していないか?の差なのです。売れているアーティストは、その意味を理解しているのです。
それを表現しているのです。逆に売れていないアーティストはその意味を理解せずに活動を続けているのです。

音楽アーティストは、一気に有名になることは稀です。何年も、何年も音楽を続けて来たことできっかけをつかむことが出来るのです。大切なのは「音楽を続けていける環境を作る」ということです。継続していけるか?ということですね。多くのファンが支持してくれることによって音楽活動を継続的に行っていくことができます。
そして、売れる機会を整えておくという事です。

しかし、音楽活動を続けられるとは、もうその時点で「売れている」ということにもなっているですが!

売れないアーティストの5つの共通点とは?

(1)常に平坦な音楽活動をしている
(2)流行りものに飛びつく
(3)目先の活動が目的となり全体像が見えていない
(4)自己中心的な音楽活動をしている
(5)夢が自分が有名になることである

1つひとつ説明していきますね。

(1)常に平坦な音楽活動をしている

音楽活動とは、情報を発信してMVを紹介して、ライヴを行い、楽曲を出すという一連の流れがあります。
これらは全て繋がっているものなのですが、これらを全て別々のものと考えて音楽活動を行っているのです。

SNSで情報発信だけを行ったり、唐突にMVを解禁したり、ライブ出演などもそうですね。そして、「新曲聞いてください」という告知をする。これらを別々で行うことで音楽活動が立体的ではなく平坦に見えてしまうのです。

音楽活動には「山」というものを設けなければいけません。「山」とは、盛り上がりを作るということです。「山」を設定してその「山」に向かう為の盛り上がりを作る「期待を煽る」ということが音楽活動には必要なのです。

メジャーなアーティストの音楽活動などを見ると所謂「山」という作品のリリース時期に音楽活動やプロモーションを集中させていませんか?「山」に向かうために「期待を煽る」という活動を行っているのです。

(2)流行りものに飛びつく

今、流行っている新しいサービスに飛びつくということです。みんながやっているからやらなければと思いついつい手を出してしまうのだと思いますが、本来やらなければいけないことをやり切れず、最新のテクノロジーがあたかも有名にしてくれるかのように思ってしまうのですよね。しかし、多くのツールなどはあくまで道具に過ぎず、そのもの自体で有名にしてくれるわけではないのです。基本的な活動の土台があってこそ活きてくるものだからです。

例えば最近で言えば、「クラブハウス」などです。例えクラブハウスをやったとしても、ファンを増やすためにやるのか?ファンとの交流のためにやるのか?目的が決まっていないまま新しいものをすぐに取り入れようとしても結果は出ません。

そして、その結果、新しいものへの反響が気になってくるのです。いかに視聴者を増やせばいいのか?と。流行りものに闇雲に乗ってしまうと逆に時間だけが過ぎてしまい、本来やるべきことがおろそかになる。という2倍の無駄が生まれてしまうのです。そして、目的がぶれて行くのです。

(3)目先の活動が目的となり全体像が見えていない

昔の言葉で「木を見て森を見えず」という言葉がありますが、これは目の前のことに没頭するあまり本来の目的から逸脱してしまうということです。目的は、認知をあげ1人でもファンを増やしたい。そのために音楽活動を行っているわけですが、何かしなければいけないということが「目的」になってしまうのです。本来は、やるべきことはしっかりあるのですがその気持ちの方が勝ってしまうのですね。
何故か?これには「本来の目的」を忘れているのです。目の前にある「音楽活動」そのものが「目的」になってしまっているのです。

情報発信を“しなければいけない”。という思いから何の関係もない興味もわかない記事を投稿したり、新しいテクノロジーに参加してしまうのもこの現象のひとつかも知れません。行った行為自体が「目的」だと思ってしまうということです。

例えば、ライヴハウスのイベントに出演したとします。この時ステージ上のパフォーマンスをうまくやることが目的になってしまうということです。情熱をどこまで出すことができるか?などクオリティーの精度に意識が向かってしまうということです。もちろんステージ上のパフォーマンスも重要な要素ですが、しかし、このライヴの目的は何か?ということを思い出して欲しいのです。

ライヴハウスのイベントに出演するという活動の目的は「ファンを増やす」ということですよね。
そのためには会場にいるオーディエンスのアドレスや何かしらの登録を促し次につなげることが目的になります。
または、アーティストカードを多くの人に配り自身を知ってもらえる活動かも知れません。

多くはステージをやり遂げたという気持ちでいっぱいになってしまうのです。ステージが終われば仲間と喜ぶのではなく、そこに集まっているオーディエンスと接点を持つことなのです。目的はファンを囲い込むことです。自分に酔い、その瞬間の歓喜にあふれることが目的ではないのです。

他にもいくつか例を伝えますね。これはメジャーでもあるあるな話しです。
雑誌の取材を受けたことで目的が終わってしまうのです。本来はその記事を多くの人にどうやって読んでもらえるかが目的になるのですが、取材を受けたことで目的は達成されたと思ってしまうのです。

ラジオ出演した時などもその番組に出演したことで終わってしまうのです。本来は事前に情報を発信してどんな番組になるのか?など期待させ多くの方に視聴してもらうことが目的になります。番組の番宣ということです。ラジオ局が行うからいいいや!ではなくアーティスト自身も発信していくこと、そして多くのオーディエンスに聞いてもらうことを目的にしなければいけません。
最近、ラジオはradikoというアプリがありローカル局との垣根も無くなってきていますのであとフォローとしても重要な情報になりますよね。

目的は、ファンを1人でも増やす事が目的なはずです。音楽活動自体が目的になってしまってはいけないのです。

(4)自己中心的な音楽活動をしている

「継続性がない」ということです。音楽活動は継続性が最も重要な要素になります。それが断続的にやったり、やらなかったりという行動になってしまう。

活動とは、「活発に動く」という意味です。活発な動きをしなくてはいけないのですが気が向いたらSNSを更新。たまに歌唱動画をアップする。というような「気が向いたらやる」という自己中心的な判断で活動をしてします。しかし、これでもいいのですよ。「売れる」ことを目指してなければいいのです。
このような断続的な活動をしているアーティストに限って「売れないのですが」という悩み事を言っているのです。

(5)夢は、自分が有名になることである

アーティスト活動をしている方に質問をすることがあるのですが「夢は何ですか?」とすると「テレビに出ることです。」とか?「大きなイベントに主演することです」とか?将来はどうなっていたいかなど聞くと「女優にも興味が?」とか「マルチな活動をしたい」とか?いう答えが返ってきます。有名になることは決していけないことではありません。しかし、音楽アーティストとしては「何をしたいか?」ではなく、「何を与えたいか?」ということ必要になります。

単に有名になりたいのであれば音楽アーティストでなくてもいいのです。タレントやグラビアからスタートしてもいいのです。しかし、その素養がないために音楽というジャンルに逃げてきているのです。

このようなタイプのアーティストは、「自分大好き」「自分が輝いていたい」と思っているタイプの方が多いですね。自分を過大評価してしまう傾向があります。歌がうまい、みんな私を見てくれている。という意識を強く持っているのでどこからともなく表現におごりが出てしまいますね。そんな押し売りアーティストのメッセージがオーディエンスに届くわけがありません。

しかし、「音楽で売れる、売れない。」というのは何を持って判断するのでしょうか?その基準がなければ
「売れる、売れない」ということを判断することが出来ないのではないでしょうか?まずは、どうなっている状態が「売れているのか?売れていないのか?」の判断基準を持っていなければいけませんね。

「売れる」「売れていない」の5つの判断基準とは

まず、はじめに「売れる」「売れない」の判断基準ですが、多くはCDの売上枚数で「売れる」「売れていない」と決めているのではないでしょうか?それとも、TVにたくさん出ていることで「売れている」と思ってしまうのです。しかし、それらは表面的なものしか見えていないのです。イメージが先行し「売れる」「売れない」という言葉が使われてしまうのです。

結果から話しますと売れた枚数とかは表面的なことであって本来の「売れる」「売れない」は「経済的」な判断であるという事です。「音楽」や「アーティスト」の価値ではなく、「経済的」なことなのです。

要は、音楽を生業で食べていけるか?行けないか?ということです。このアーティストではビジネスが出来ない。と判断した時が「売れない」ということです。逆に「売れる」というのは、しっかりしたビジネスが成り立っているので音楽が続けられるということです。

「売れる」「売れていない」の判断基準として「ビジネス」になっているかということですね。「ビジネス」=「利益を上げているか」ということです。言い方を変えればこんな感じですかね。

「このアーティストは売れる」=「このアーティストは、ビジネスになる」
「このアーティストは売れない」=「このアーティストは、ビジネスにならない」ということですね。

はっきり言って「売れる」「売れていない」という言葉は気にすることはありません。
「ビジネスになっているか」を気にしなくてはいけないのです。

「売れる」「売れていない」の5つの判断基準とは

ビジネスに「なる」「ならない」の5つの判断基準となるのです。

1)CDの売上枚数の基準
2)売れるまでの活動期間の基準
3)経済的な成果の基準
4)ライブ会場の規模感の基準
5)ファンクラブの会員数の基準

CDの売上枚数の基準

採算分岐をクリアーして利益が出ているかということです。
CDを発売するには、音源制作などの費用、レコーディングやミックスなどの予算がかかります。
そして作品を売り出すために宣伝素材のポスターやMVを制作し、そして認知をさせるための宣伝費など多くの予算がかけられるわけです。

この予算をクリアーし利益を出すことが「売れた」「売れない」の判断基準になるのです。
この予算のかけ方はアーティストによって様々で状況により異なりますのでいくらかけるとは言えませんが
リクープライン(採算分岐点)のセールス枚数を事前に把握しておくことが重要です。

基本的な予算基準としては、セールス枚数を想定しその枚数に対してはじき出されることが一般的です。
20,000枚は行けるだろう。と想定し20,000枚の売上を試算しその金額の中から制作費及び宣伝費が設定されるのです。設定した枚数をクリアー出来れば「売れた」クリアー出来なければ「売れない」と言うことになるのです。

よく使われる言葉でリクープラインという言葉が使われますが、捻出した予算に対して売れた枚数で+マイナス=ゼロになることを指します。トントンということです。まずはこの枚数をクリアー出来るように音楽活動を進めて結果を出さなければいけません。

今の時代、CDが売れない時代この計算式が出来ないのです。CDの枚数を基準に予算計上してきた結果算出の仕方がないのです。ですのでファン数が一つの目安になりますね。ファンの少ないアーティストなどはデジタルシングルなどネット上での配信リリースが多いのはこのような事情があるからなのです。特に新人アーティストの場合は配信シングルで様子を見るというやり方が横行していますのでなかなかオーディエンスの前でのお披露目的なアプローチが難しくなってきますね。

CDの売上枚数の基準とは、投資した予算の回収見込みの有無ということです。

「売れる」までの活動期間の基準

「売れる」までの期間というのは「売れる」まで続けることが出来れば基準などありません。
「続けることが出来れば」ということです。その「続けるため」には制作資金や活動資金が必要ということです。
ですので「売れる」までの期間とは資金がなくなるまでの間のことをいいます。逆にいうと期間を決めて「売る」ことをしなければいけない期間ともいいます。

メジャーレーベルの場合であれば契約期間というのが定められています。インディーズでもそうですね。
おおよそ2年間というのが妥当ではないでしょうか?そして、この2年間で実績を残さなければいけないということです。

実績とは、「売れる」ということです。「ビジネス」を成立させるということです。
レーベルは、この2年間にいくら投資をするかということを決めます。そしてこの2年間でどのような投資回収が出来るのか?出来る見込みがあるかを作りださなければいけないのです。この期待を上回れば「売れた」下回れば「売れない」ということです。

2年間の契約での音楽活動は基本、年シングル3枚、アルバム1枚ですね。2年ですので計シングル6枚、アルバムが2枚になり合計で8回の「売る」機会を作り出します。その8回で「売る」ビジネスを成立出来る基盤を作るのです。

これが個人活動であればどうでしょうか?個人で行っているアーティストなどはこの売れるまでの期間というのは
自分自身での判断になります。自身がもう続かない。もう資金がない。と続けられない状況が来た時、いわゆる音楽活動をやめる時が売れなかった。ということになるのです。

売れるまでの活動期間の基準とは、資金がなくなる期間ということになりますね。

経済的な成果の基準

どれだけ稼げるのか?稼いだのか?という判断になるのでしょうか?どれだけ売り上げを出せば「売れた」というのでしょうか?1億ですが、それと何十億でしょうか?経済的成果とは、しっかりした利益を残し継続的な活動もしくは運営をしていけるかということです。関わったスタッフや関係者の諸経費も含めて採算があっているかということです。

例えば10億の売り上げかあったとしてもマイナスなアーティストであれば成り立ちません。経済的成果を残していないということです。10億で利益がない。って本当?と思うかも知れませんが決してゼロとは言えません。このようなことはあるのです。それは利益より制作費や宣伝費が上回ってしまった結果です。レーコーディングやMVの予算、宣伝などに予想以上につぎ込んでしまったということですね。または予想外に目標が達成できなかったということもあります。

では、継続的な運営とはどんなものでしょうか?それは、一般的な構造で赤字にならなければ良いということです。
収入から支出を引いて利益を残せる。利益を残せれば未来に投資が出来る環境が作れるかということ。

レーベルのビジネスは販売価格が売り上げを示しているわけではありません。
3,000円の売価であっても店頭での販売には卸値というものがあります。店頭への手数料ですね。
卸し価格はレーベルにもよりますが売価の50〜60%ぐらいが一つの目安になります。
3,000円の商品でも、実は1,500円から1,800円ぐらいがレーベルの売り上げなのです。

その金額を元に20,000枚を目標にした場合
1,500円×20,000枚=30,000,000円の売り上げになります。
この金額の中で利益を残し、制作費、宣伝費に当てるということになるのです。

簡単に数式ですが、
先ほど年間にシングル3枚、アルバム1枚と言いましたが
これをシングル各20,000枚、アルバム50,000枚と設定した場合ですが
シングル1,000円×50%=500円×20,000枚×3商品=30,000,000円
アルバム3,000円×50%=1,500円×50,000枚×1商品=75,000,000円
トータル1億5,000,000円の予算が計上されます。この金額の中で利益を残しすべてをまかなうのです。
おっ結構あるなと思うかも知れません。億越えでからね。しかしこれは絵に描いた餅です。
確実に達成出来るという約束はないのです。

もう一つはアーティスト及びプロダクション側のビジネスというと出来た作品売価×売り上げる枚数×印税によって左右されます。アーティスト側は歌唱印税を受け取る権利があります。これだけです。アーティストやプロダクションの音楽のビジネスってこれだけなのですよね。

例えば、歌唱印税2%だとしましょう。3,000円のアルバムを発売しました。
そして、20,000枚売れたとします。ではいくら手元にはいるでしょうか?

3,000円 ×80%  =2,400円×2%=48円×20,000=960,000円
単価  ×20%控除  =対象単価×歌唱印税=印税金額×枚数=売り上げ

アルバム年1枚で960,000円になります。
これでスタッフとかを養っていくと考えるとかなり無理がありますね。

これを2年契約であればどこまで伸ばすかということに力が入ります。
3,000円 ×80%  =2,400円×2%=48円×200,000=9,600,000円
枚数が一桁違うだけで金額が10倍になります。また、印税が倍になれば
3,000円 ×80%  =2,400円×4%=96円×20,000=1,920,000円
3,000円 ×80%  =2,400円×4%=96円×200,000=19,200,000円

この売り上げて運営していけるかというのが一つの基準になります。
そして、印税=歌唱印税はあまりあげることが出来ない可能性がありますので
別途、宣伝協力などする前提でプロモーション印税などを発生させ印税をあげることはあります。
他にはプロデュース印税などもありますが、

経済的な成果の基準とは、継続的な組織運営を出来る利益を残しているかということです。

ライブ会場の規模感の基準

大きな会場で例えばドームクラスやスタジアムなど数万人を埋めるライブなどはさぞかし華やかに映るのではないでしょうか?ライブ会場とは、ライブハウスに始まりホールいわゆる会館ですね。そしてアリーナと言われる10,000規模を集客出来る会場などあります。究極はドームクラスまたはスタジアムと言われるものですが、しかし、ドームで開催すれば良いというわけではないのです。

あくまでライヴ会場は一つの憧れを作る場と親近感を作る場としてのアーティストのブランディングに近いものがあります。要は使い方です。その使い方でアーティストの存在感を際立させることが目的になるのです。「売れている感」を作ることも目的になりますね。そして、継続的に開催出来る環境を整えることが最も重要なものです。

ライヴ会場というのは、会場が大きくなればなるほど予算もかかります。その昔は、ライブはトントンでマイナスを出さなければ良し!という習慣がありました。利益はグッツで残せ!という習慣です。

なぜでしょうか?ライヴは、そのアーティストのイメージをも訴求する生のステージでもありますからアーティスト含めて気合が入ります。その結果予算が膨張して行くのです。過大演出とでもいうのでしょうか?私もよくやってしまっていましたね。結果として、チケット収入では利益をあげることができなくなってしまうのです利益はグッツということになるのですね。

ライヴ会場は一つの憧れを作る場と親近感を作る場としてのアーティストのブランディングに近いものがあるとお話をさせていただきました。要は使い方でそのアーティストの存在感を際立させることが目的になるという。
この流れを生み出すことが出来れば1番好ましい姿ではあります。

ちょっと会場をカテゴリーに分け見ましょうか?人が目視出来る会場と目視出来ない会場に分けて見ましょう。
目視できる会場とは、アーティストを直に見れる環境のことです。
目視出来ない会場とは、ビジョンやスクリーンなどでアーティストを投影している環境のことを言います。

人が目視出来る会場とは、ライブハウスとホールと言われる会館
*2,000名前後の集客が出来る会場になります。ちなみにZEEPといわれる会場は2,000名収容出来てもライブハウスです。ここでライヴハウスとホールの違いを言いますとスタンディングが着席かということです。

目視出来ない会場とは、アリーナクラスやドームクラスの会場
*ステージ横にスクリーンをおいて遠くの人でも見れる環境を整える必要がある会場です

この2つのパターンの組み合わせです。
目視出来る会場=親近感 / 目視出来ない会場=憧れ感

新人などはライヴハウスから始まり目視出来る会場=親近感作り深いファンを作り出して行きます。そして深いファンを増やしていくためにホールという収容人数があるホール会場に移行していきます。

そして、アリーナと言われる例えば「日本武道館」での開催ですね。アーティストも苦労を重ねやっとここまで来れたという一つの達成感とファンもここまで来て良かったねという親心が芽生えさらに応援する気持ちを作り出します。そして、ここで「憧れ感」が生まれるのです。逆に遠い存在になってしまったという寂しさも生まれるのですが。

この流れが通常のライヴの活用の一般的なものです。多くはこの流れを目指しています。しかし、この先が最も重要な活用をしなければいけません。他の音楽活動の状況にもよりますが、アーティストの状況によって親近感を作り出すのか?今は憧れ感を作るのか?という判断を行いつつ3年後までのライヴ開催の計画を練ることになるのです。これは、やはりファンを減らさないためです。親近感、憧れ感の押し引きです。そして、新しいファンを囲い込み手段でもあるのです。

そして、ライヴ自体は常に黒字化をさせて行わなければいけません。赤字では開催したくても開催することが出来なくなってしまいますので常に黒字化です。アーティストのブランドイメージもあるかと思いますが過剰な演出はほどほどにしてビジネスに目を向けることが必要です。

ライブ会場の規模感の基準とは、アーティストの存在感を際立させることが出来るように活用するのです。

ファンクラブの会員数の基準

売れているアーティストはこのファンクラブを最も大切にしています。
それはそうです、アーティストのことが1番好きな顧客ですから大切にしないわけがありません。ファンクラブの規模=会員数はどれくらいがいいのかという明確な判断があるわけではありませんが多くに越したことはありません。

このファンクラブビジネスは、アーティストやプロダクションにとって多きな収益源の一つです。いや、このファンクラブのビジネスが一番の収益源といっても過言ではないかと思います。なぜなら、月額課金制のサブスクモデルになっているのです。毎月、毎年会員数に応じて収入を得ることが出来るのです。どんな状況だろうが、コロナの影響も受けることはありませんね。

会費×人数=年間収入。
例えば10,000人の会員がいて年会費5,000円とします。
5,000×10,000人=50,000,000円の収入が見込めることになります。
これは、アーティストが音楽活動を止めない限り半永久的に得ることが出来るのです。

大きなアーティストなど30万人や50万人の会員を保有しているアーティストもいます。
5,000×300,000人=15億や5,000×500,000人=25億!ととんでもない数字ですね。これが毎年です。しかし、このようなアーティストはほんの一握りなのですから真似ようと思ってもそう簡単に出来るものではありません。

ファンクラブの妥当な基準とは、ファンクラブの収益でアーティストが継続的な活動や運営が出来る状態のビジネスが出来ることが好ましいです。例えば年間5,000万の運営費及び活動費必要であれば先ほどの数値ですね。
10,000人のファンクラブ会員がいれば上出来ですね。

年間2,000万が必要であれば2,000万÷5,000円=4,000人もいれば十分です。

しかし、いきなりこの会員数を集めることなど出来るわけではありません。
様々な音楽活動を行う上でファンを囲い込む、そして同じ志のあるものを集めるファンクラブを立ち上げることになります。

ファンクラブの立ち上げ期間はアーティストによっては様々ですが一つの目安としてホールコンサートツアーが出来るタイミングが良いかと思います。コンサートチケット先行購入権などのメリットを加える良きタイミングでもあります。
例えば、2,000人のホールツアーで8公演開催であれば分母が16,000人になります。このうち30%でも入会してくれれば4,800人のファンクラブが出来上がります。最初としてはいいのではないでしょうか?

現在、個人で音楽活動をさせているアーティストなどはこれでも敷居が高い話かと思いますので別の事例でお話をしますね。例えば、音楽で生計を立てたいと思い音楽活動をおこなっています。バイトなどしないで音楽に専念したいと思っているでしょう。このような場合ですが、自身の日々の生活費を算出してください。

月額30万円があれば音楽に専念できる。音楽にかかる諸経費もまかなえるとした場合ですが、ファンクラブ準備室的なものを想定し月額1,000円で開設してみるというものです。月額1,000円30万得るとした場合300人のファンを作り出せばまかなうことができるということです。

では、この300人を得るタイミングとしては1,000人のライヴ開始ができるのが一つの目安ですね、これも音楽活動を行う上で目的の一つになるのです。

ファンクラブの会員数の基準とは、ファンクラブビジネスのみで組織運営及びアーティストの音楽活動が継続的に行える状況が整えることができる規模が理想ということになります。

売れるアーティストの3つの共通点とは?

(1)オンリーワンのアーティストである
(2)年間を通じてアーティスト活動を発信している
(3)利他的な目的を持っている

では、1つひとつ説明していきますね。

オンリーワンのアーティストであるということ

ヒットチェート1位が「売れる」ということでしょうか?では、「1位とはなぜ?1位なのでしょうか?」を考えてみませんか?1位とは、支持者が多いという事です。興味を抱かせてた消費者が多かったという事ですね。では、「なぜ、多くの興味を抱く事が出来たのか?」です。

それは、その人なりアーティストの特性が支持されたという事です。音楽、容姿、歌声、歌詞、メッセージなど様々な要素があり、その要素を結ぶつけることが出来たからこそ支持が集まったのです。

それを言葉にすると「オリジナリティー」ということです。「オリジナリティーとは、その人ならではのもの=価値です」人真似ではないのです。もし人真似で全てを一緒にしたのであれば全て「売れる」ということになりますが決してそうにはなりません。世には、同じ人などいないからです。

生き方も考え方もそして経験してきた中で学んだ言語や表現方法など人それぞれです。その中で作り上げてきた自分市場を構築しているのです。その市場にはたった1人しか存在し得ないアーティストがオンリーワンということになるのです。

自身の特性を打ち出していく。誰かに真似をされても負けない自分らしさ、唯一無二の存在が必要なのです。

年間を通じてアーティスト活動を発信している

音楽活動とは、人の脳裏から消えてしまってはいけないのです。ライヴを行っているからといって活動をしていないわけではありませんが、市場に活動されているのか見えない状況であれば人の脳裏から消えているのです。

音楽アーティストの活動は、世間から消えていないかという事を気にしなくてはいけません。情報発信や露出も含めて存在している事を常に表面化していかなければ存在していても一般的には存在していないのと一緒なのです。

音楽は継続が大切だと話をしてきています。
そうなんです「継続」が重要なのです。継続している姿を市場に伝える事で成立する事なのです。
これはメジャーだからという事ではありません。これから音楽を志すアーティストにも言える事なのです。
現在、音楽活動をしているアーティストにももちろん当てハマるのです。冒頭で「断続的な活動」というお話をしていますがまさにそうなのです。

断続的は、思い出し、忘れられ!再び思い出し、そして忘れさられる!この繰り返しなのです。そして、いつしが思い出す事もなくなるのです。動き出したならば、止める事をしてはいけないのです。でも、常に動いていればいいのか?という言葉が聞こえてきますが、そうではありません。情報発信ひとつとっても活動の一環です。
本人不在のMVだとしてもそのアーティストの音楽があれば活動の一環になります。また、音楽にこだわらずアーティスト自身の活動を発信する事で存在している事を伝える事が出来るのです。

多くのメジャーアーティストはこのように市場から消えないように、人の脳裏から消えないように年間の活動を発信していっているのです。自身が動いていても、その日部屋の中に閉じこもっていて誰とも接する事がなければ存在していないのと一緒なのです。

利他的でオーディエンスを引きつける

そもそもエンターテイメントって「人々を楽しませる娯楽」なのです。「人々を楽しませる」ということです。
「人を楽しませる」という「利他的」であるという事です。

この本質をわかっているアーティストがオーディエンスを惹きつけるのです。喜びや楽しさを教えてくれ、そして悲しい気持ちを和ませてくれるという「恩恵」受けたオーディエンスは感謝しかないですよね。
そして、共感がうまれ、また、「お願いしますね」という応援に変わるのです。

返報性の原理とでも言うのでしょうか?返報性の原理とは、人から何かしらの施しを受けたとき、「お返しをしなくては申し訳ない」というような気持ちになるという心理作用のことです。 この心理は、人間が本来持っている義理や人情のようなものかもしれませんが、人のためにする事で、やがて見返りが訪れるという事です。

いつからでしょうか?利他的から利己的になってしまったのは、メジャーアーティストの優雅なセレブシーンを見たからでしょうか?自由なライフスタイルを送っているのを見たからでしょうか?それは結果であって本質ではないのです。
多くの支援者、ファンが出来れは経済的な余裕も生まれ少しは贅沢をしてもいいかと思いますが、その表面的な部分を追ってしまうと利己的な行動=欲が出てしまうのです。これではオーディエンスを惹きつける事は難しですね。逆に敬遠をされてしまうのではないでしょうか?

エンターテイナー=音楽アーティストは、誰かの役に立つ事が必要だという事です。誰かの問題を和らげたい。誰かを楽しませたいという気持ちです。もしかしたら、自身のトラウマからの脱却かもしれません。
社会の不平不満の発散なのかも知れません。それが結果利己的でなければいいのです。

自身のトラウマからの脱却や社会の不平不満の発散など同じ経験や意識を持つ人の力になれれば利他的な行動という事です。自己満足の発信に終わってしまえば利己的いう事です。

エンターテイメントとは、「人々を楽しませる娯楽」という事を忘れないでください。

「売れる」「売れない」という基準は、すなわち安定した収益を得られる規模のファンを持っているかということです。「売れる」ということは継続的な活動があってその上でチャンスが与えられるのです。「売れる」ことを考える前にまずは「継続」出来る状況や環境を整える音が必要です。

最近話題のヒゲ男さんも「売れる」までに7年かかったと聞きます。キャリーさんもメジャーになるまでに5年を有したと聞きます。倖田來未さんも7年かかってします。平井堅さんはもうやめようと思った時にそのチャンスが来たと言います。
「売れる」より「継続」なのです。闇雲な継続はダメです。
しっかりした計画を持って「継続」出来る環境を整える事を行わなければいけないのです。

私は音楽ビジネスをオンラインで学べる「BizMu(ミュージック・ビジネス・アカデミー)」を主催しています。今まで音楽業界で経験した実績や経験で得たノウハウ、また、これからの時代の音楽活動に必要なスキルなどをお伝えしいます。

BizMuでの講座を学ぶことによって音楽活動本来の意味を知り、継続出来る音楽活動をはじめマネタイズの仕組み作りなど音楽アーティストに欠かせない活動内容を学ぶ事が出来、そして今までの音楽活動がさらに充実のあるものへ変わるものだと考えています。

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